「燃える!お兄さん」というマンガについて

作者の佐藤正先生(以下敬称略)の詳細ついてはまずこちらを見ていただくとして


https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E6%AD%A3_(%E6%BC%AB%E7%94%BB%E5%AE%B6)


マンガ図書館zのキャンペーンは残念ながら終了してしまったようですが、Kindleで作品が買えます。

https://www.mangaz.com/campaign/c201702/sato


以下、ツイートをしようとしてあまりにも長くなってしまったのでそのツイートの下書きをこちらに貼っていきます。





佐藤正「燃えるお兄さん」の17巻にデビュー作「ボクの友だちP.2」が収録されているんだけどギャグ無しのかなりシリアスなSF作品だ。後の「ミリンダファイト」って作家としての原点に立ち返る意味があったのだろうか…とか考えてたら泣けてきた。


燃える!お兄さん」の圧倒的なスピード感、バイオレンスの天井を突き破るようなギャグ、ちらちら顔を出すSF趣味(漫画本編でトータルリコールや寺沢武一について熱く語る場面もある)卓越した画力、マカロニほうれん荘へのリスペクトなどなど…佐藤正について語り始めると止まらないのだけど。


新沢基栄のアシスタントとしてハイスクール奇面組のおまけ漫画にもたびたび顔を出していたが、その奇面組の連載終了にともない後継作品として始まったのが「燃える!お兄さん」だった。学園コメディにバトル漫画のエッセンスを組み込んだ、黄金期ジャンプを体現するかのようなマンガ。


奇面組もバトル展開はたびたび見られたが、お兄さんはアニメ化以降「青春マンガ」から逸脱し、まさに燃えるようなバイオレンスギャグ漫画へと変貌していく。ちょっと他に類似する漫画が見当たらないほどのオリジナリティと高い画力。ギャグのキレ。無敵だったと思う。

そこであの回収騒ぎがおきる。


笑いと、暴力や差別などの問題については切っても切り離せない問題だけど、話があまりにも大きくなるのでここでの言及はやめておく。(個人的には該当作を読んだ上ではたして回収する内容か?と感じたけど、当時の少年ジャンプの影響力を考えるとうーーむ…とも思う)


その後作品は波乱万丈な変化を見せる。燃えるお兄さん2がはじまり、本筋の学園物語はどこかに立ち消えて、

キャラ達が舞台上でコントをするというとんでもないギャグ漫画となり(これは本当に読まないと何を言ってるかわからないと思う。読んでくれー)最後に本物のコント55号が出てきて2人が拍手をして物語は終了する。エヴァのテレビ最終回に匹敵する、作家性が商業ラインでビックバンを起こした衝撃的なラストだと思っている。

冗談ではなく。




お兄さん終了後、お兄さんと同系統のタータベア、ハードなSF作品ミリンダファイト(めちゃくちゃ好きです)と続き

「めだかの王国」という4コマほのぼのコメディの連載がはじまる。最初は「これがお兄さんを描いてた人の漫画!?」と戸惑ったが


今振り返ると、こちらも過去と未来の笑いの様式を繋ごうと試みた意欲作だったと思う。

たしかに回収騒ぎのショックは大きかったはずでバイオレンスは後退していったけど、佐藤正はそこで負けずに才能の落とし所をずっと模索していた。すごいよ。


子供の頃読んで影響めちゃくちゃ受けました。

また佐藤先生の新しい漫画が読みたいです。


ネットであまり言及が見られなかったのでここに記しておきます。

乱筆乱文失礼しました。



(追記。漫画だと奇面組の後継は燃える!お兄さんだったけど、アニメだと奇面組ついでにとんちんかんなので、奇面組からえんどコイチを連想する人も多いかもしれない。えんどコイチも、燃える!お兄さんとほぼ同時期の87年に「ミラクルプッツン大冒険」という一巻だけの漫画を描いており、西遊記を下敷きにしたギャグも混ぜつつのかなりシリアスなファンタジーで「俺はこれが描きたいんだ!!」という魂の叫びが聞こえてくる名作なので、こちらもおススメです。)


おわり



感想

直泰くんのピノキオピーの感想ブログを読んで感動したので、自分も久しぶりにブログを書くことにした。
正直な感想を書くと心の内側が丸出しになるし、文章力も問われる。他のファンの人達と争いが起こることもあるかもしれない。
このように色々と大変なので、自分はだいたいなんでも「すごい!」「最高!」とかの二〜三文字で感想を終えてしまうことが多く、感受性や文章能力が死んでしまっている可能性があるので、ためしてみようと思います

さて何を書くかというと、直泰くんのパクりでピノキオピーの曲の感想なんだけど…すいません

 


ピノキオピー
「eight hundred」http://www.youtube.com/watch?v=2trNXrUuGrs

 

 

ピノキオピーを初めて知ったのは百化という創作グループの【音-oto】というpvだったかな
その時はすげーかっこいい人達がいるなー。ぐらいにしか認識できてなかったんだけども「なっとくP」こと、けつのあなカラーボーイのkagemさんが書かれた凄く熱量のあるボカロの記事やピノキオピーについての記事を読んで、色々遡って聴いているうちに自分もすっかりファンになってしまいました

自分は、物語というかメッセージを「白黒灰色」で判断することが多く、4コマを描くときもだいたいこれに当てはめて描いている。
すごく単純な三色かもしれないけど、世界のほとんどは、この単純な三色でできているような気がする。

4コマと歌の共通点を無理矢理にでも見つけるしたら「短い時間の中で、ハッとさせる」みたいなことなんじゃないだろうか。
それだけに、表現がやたらと刺激的になってしまったり、薄っぺらなのにメッセージ性がやたら強い、アンバランスなものになってしまったり、そうゆう主張のさじかげんがすごく難しいと思う。毎日描いてるのに全然うまくならない

 

eight hundredに話を戻す。
聴いてもらえばわかるけど
この歌は
「白」→「黒」→「灰色」の三部構成になっている。
嘘を用いることで
「反転した白(黒)」→「反転した黒(白)」→「灰色」
ともとれる。

言葉はすごくわかりやすいものが選ばれ、主題も明快だ。

それでいて押し売り感は全然ない。全体のイメージはとがっているのにふんわりとした、不思議な綿アメのようだ。

生と死というテーマは、ともすればすごく安直なものになってしまうけど、キャラの背景をギリギリまで簡略化しているのと巧みな言葉選びや場面設定で、単純に「あなたが死んで悲しい。つらい。だけど強く生きていく」みたいになっていないのがすごくて。

 

灰色という不確定な箱に、世界と自分の未来を詰め込んで、この歌は終わってしまう。
解釈としてどちらともとれるのがたまらない
どちらともとれる表現が俺は好きなんだけど、ここまで見事にまとめられると唸ってしまう

 

あと、歌の終盤でアーーーーーとなるのもたまらない。俺は歌の終盤でアーーーーーとなるのが好きなので…

 

死について歌われながら、バックで終始アーメンが鳴り響いてるのも最高だ。
最高を使ってしまった
最高を使わないで感想を言うのは難しい

(アーメンブレイクについては各自検索してみてください)

 

タイトルは直接的には「嘘八百」から取られているのだろうけど「ウソ・エイト・オーオー」を思い出す人も多いだろう
藤子F不二雄も白と黒と灰色を使う達人だったと思うので、何かのインタビューでピノキオピーがF短編集に触れていたのはすごく嬉しかった

 

長くなりました。
以上です。

ピノキオピーおすすめです